
9月5日、6日の2日間、逗子の黒門カルチャークラブで開催された「MARKET こっちのわたし」に、はまぐり舎として参加しました。
今回声をかけてくれたのは、鎌倉サステナビリティ研究所(KSI.)の代表でもある愛さん。
愛さんとは何年ぶりでしょう。たぶん、お子さんが生まれる前に会ったのが最後だったような。
そんな愛さんから久しぶりにお声をかけていただいたのが、今回のマーケット参加のきっかけでした。
KSI.で一緒に活動する皆さんは、それぞれ多彩な「好き」を持っていて、KSI.以外の場所でもさまざまな顔をもって活動をされています。
「あっちのワタシ」「こっちのワタシ」、色々あっていい。
だったら「あっち」も「こっち」も応援しよう。
そんな愛さんの発想から生まれたのが、「MARKET こっちのわたし」です。

あいさんの占いは自分を客観的にみつめる助け

もともとソーシャルオーディット(社会監査)の専門家である愛さん。
今回の「こっちのわたし」は、四柱推命です。
愛さんは現在、四柱推命を独学で勉強中。
勉強を始めたきっかけを聞くと、自分のメンタルが下がったときに、何か自分自身を客観的に見つめられるものはないかと思ったことだったそうです。
四柱推命は、生まれた年・月・日・時刻をもとに命式を組み、その人の性質や運勢の流れなどを読み解いていく東洋の占術。
私もさっそく調べてもらいました。
すると、私はちょうど昨年が天中殺、今年2月には空亡の時期が明けたとのこと。
これですべてを説明できるわけではありませんが、振り返ってみると、2024年はいろいろな案件がどうにもつまずき、2025年も犬との生活を楽しみつつ、結構内向きな時間を過ごしていました。
そして今年。
絵本の出版から始まって、後半に入ってようやく、またいろいろなものが動き始めている感じがあります。
これまで積み上げてきたものが、新しい段階へ入るような気がしています。
四柱推命が当たっているかどうか以上に、こうして一度、自分が歩いてきた時間をちょっと離れたところから眺め直してみること自体が面白いのだと思いました。
本棚から、その人の頭の中がちょっと見える

モンステラ読書室のえみさんとは、今回が初めまして。
並んでいる本を眺めていると、その方の思考の方向性が感じられるようで、選書を見るというのはとても面白いものです。
一見すると、なかなか硬派。
サステナビリティに関わる仕事のバックグラウンドを感じさせるものから、多様性、仕事のあり方、社会や物事をどう捉えるかという本まで。
最近、私はマーガレット・アトウッドのディストピア小説『侍女の物語』を原作にしたテレビドラマを見ていました。
その話をすると、えみさんがスッとその話題に寄せてくださる。
「これなんか、まさに『侍女の物語』に出てくるような、女性の差別や権利にもつながりますね」
と、持ってこられた本の中から教えてくださったり。
この引き出しの多さ。

ちょっとインテリでハードル高め?と思うかもしれませんが、その本棚には児童文学作家ミヒャエル・エンデの『モモ』も。
ほっと安心します。
とはいえ『モモ』も、時間とは何か、豊かさとは何かを考えさせる、かなり深い物語。
時代が変わっても話の種が尽きない本です。
私の心の腐葉土に、『モモ』を買って帰りました。
えみさんが主催されている読書会も、とても面白そうでした。
上手に話せなくても、自分が読んだものについて、自分の言葉でもう一度考えて語ってみる。
それは人間にとって、とても大事なプロセスなんじゃないかと思います。
いつか参加できるといいな。
古着がわからない人ほど、タケさんと話してほしい
shunshunsou|Vintage & Select Used Wear

タケさんは、普段アウトドアメーカーで働いておられます。
その経験も生かされた古着屋さん「shunshunsou」も、これまた深い。
まず、服への愛情。そして理念。
今回のマーケットに向けてステートメントまでまとめていらして、タケさんのペースでいいので、もっともっと活動していただけたらなあと思います。

そして、タケさん自身が身につけている服がまた面白い。
「そのシャツ、どういう切り替えになってるんですか?」
そんなところから、ブランドの話、縫製技術の話、デザイナーの考え方へ。服好きとして、どこに共感するか、自分の思い描く好きな服の世界に近いものなのか。
聞けば本当に楽しそうに話してくれます。
扱っているのは、ヨーロッパ、主にフランス・パリで買い付けてきた古着や、韓国の古着など。
一着一着の背景が丁寧にタグの文章にまとめられていて、服を手に取りながら話を聞いていると、その服が作られた時代や文化にまで話が広がっていきます。
実をいうと私は、古着ってどう探したらいいのかよくわからなくて、ちょっと苦手意識がありました。
でも、タケさんのトークにかかると、だんだん面白く魅力的なものになってくる。
服に対する思いや理念まで伝わってくる接客トーク、ぜひ体験してほしいです。
そして古着探しに慣れている方には当たり前なのかもしれませんが、たくさん並んだ服の中には、あなたにとっての「一着」が紛れ込んでいます。
だから一つひとつ丁寧に見て、時間が許す限り試着して、色々聞いてお話しする。
それがお宝遭遇への近道だと感じました。
マルちゃん食堂と、危険なグラノーラ
マルちゃん食堂 |グラノーラ
ブラジルご出身で、普段は主夫をされているマルセロさん。
今回はオーガニック食材だけを使ったグラノーラを出してくださいました。
買って帰った風味豊かでカルダモンがほんのり香るグラノーラ。
なんとか自制しながら、ちびちび食べていたのですが、もう無くなりかけています。
マルちゃんのホスピタリティと笑顔、その笑顔が作り出すおいしい食べもの。
この二日間でみんな癒されたはず。
なにやら鎌人いち場への出店も計画されているようなので、こちらも楽しみです。

白いシャツの物語は、一日では終わらない
Stories behind |エシカルファッション

最後は「Stories behind」のあやさん。
長く着られる一着を目指して作られた、美しいチュニックシャツ。
お住まいの四国・瀬戸内地域の職人さんたちだけで完結させた一枚があったり、同じ白シャツでも生地の張りや厚みの違いで2種類作っていたり。
この変態ぶりも素晴らしい。
もちろん、全然安くありません。
でも、むしろ安くあってはならないと感じる質の良さです。
素材、縫製、作り手、土地。
一枚のシャツの後ろに、話せば一日では足りないさまざまな職人さんたちやあやさんの積み重ねた物語がある。
「Stories behind」という名前そのものです。

そして私の目標に、このこだわった2種類の白シャツを買うこと、というものが加わりました。
年齢や体型にあまり左右されないこの二つを着こなし、着たおす生活にしたい。
鎌倉でも、ぜひまた出店してくださる機会があったらいいなと思っています。
はまぐり舎
私は「はまぐり舎」として、これまで作ってきたものをちびちび集めて出店しました。
絵本、紙もの、布もの、これまで絵から展開してきたものたち。

こうして一度に並べてみて、改めて考えたことがあります。
私にとって「絵をグッズにする」ということには、ずっと迷いがあります。
絵そのものよりも、バッグや布もの、紙ものなど、普段使える「なにか」になった方が、手に取る人にとっては暮らしに取り入れやすい。
それはよくわかります。
絵となると、
「壁に穴を開けるのは……」
「飾るスペースがなくて」
と、暮らしの中へ迎れる前に、いろいろなためらいが出てくるものです。
だから「この絵、ハガキにしてほしい」と言っていただくこともあります。
嬉しいことです。
でも、実は私は、そこでいつも少し悩んでしまいます。
絵をもっと身近にするために、別の形にすることも大事。
それと同時に、絵そのものを見つめることに価値を感じてもらいたいという気持ちもあります。
絵本のページを開いて絵を楽しむのも、その一つ。
そして原画を一枚、暮らしの中に迎えて、ときどき眺めることも。
次々に何かを消費していくのとは少し違う、「見つめる」という心の贅沢。
そんな楽しみ方も、少しずつ広がっていったらいいなと思っています。
古着、占い、本、グラノーラ、服、そして絵。
一見するとバラバラなものが並んだ2日間でした。
でも、話を聞いてみると、どの店にもその人が考えてきたこと、好きで続けてきたこと、仕事や暮らしの中で積み重ねてきたことがちゃんとつながっていました。
「あっちのワタシ」も「こっちのワタシ」もある。
ちなみに、私の「こっち」はメインです。笑
でも、どっちが主なのかって、何で決めるんでしょうね。
もちろん収入額で決めている人もいると思いますが、心持ちで決めたっていいと私は思うんです。
私自身もまた、絵を描く人であり、絵本を作る人であり、ものを作って売る人であり、犬と暮らす人であり、絵と一緒に文章も書く。
どれか一つに決めなくてもいい。
いろいろな「わたし」が行ったり来たりしながら、次に何を作っていくのか。
そんなことまで考えるきっかけになった「MARKET こっちのわたし」でした。
今回集まった出店者のみなさんも、遊びに来てくださったみなさんも、それぞれに魅力的な方ばかり。
このマーケットも、一度きりの大きな何かを目指すというより、これからまた人がつながったり、新しい「こっちのわたし」が加わったりしながら、小さくても少しずつ育っていくような気がしています。
次はどんな「こっちのわたし」に出会えるのか、私も楽しみにしています。
お越しくださったみなさま、一緒に出店したみなさま、そして久しぶりに声をかけてくれた愛さん、ありがとうございました。


はまぐりがちゃんと働いてるか、様子をみに来てくれたご近所のロミちゃん。
ちびっ子は苦手なのですが、逆にちびっ子たちは興味津々でした。