2023年に入って個人的に映画館で観た最初の映画で、
久しぶりに観たスピルバーグ映画だったかもしれません。
私の幼少期において多分最初に観たスピルバーグ作品がインディ・ジョーンズだったので、
アクションとかSFっぽいイメージが自分の中では強く、ダイナミックな動きも危険もない
少年の成長物語は後からかみしめる時間がより深いように思いました。
そういえばシンドラーのリストはユダヤ人の絡むシリアスな物語だったなぁと
主人公サミーがユダヤ人としてのマイノリティを感じる場面でふと思い出しました。
サミー少年が映画への情熱を更に温めていくその過程では
彼にモノづくりのインスピレーションを与えた母、父、父の親友、
そして引っ越し先の学校の人々とのかかわりが丁寧に描かれています。
その当時葛藤に苦しんだ少年の姿とともに、その時には少年には理解できなかった
母や父の想いが今のスピルバーグ監督のレンズを通して描き出され、
人生を積み重ねてきた人が観たら自分と重なって去来する想いが生まれるかもしれません。
俳優に関しては、ガブリエル・ラベルによるサミー少年が生き生きとまぶしく
ポール・ダノによる情緒豊かな母を愛する父の姿も沁みました。
ジョン・フォード監督役でデイヴィッド・リンチが
出演しているのもどうぞお見逃しなく。
今3か月以上経って今思い出しながら感想をまとめていると、
鑑賞直後よりも、じわじわと温かみが増したように思った映画です。
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